音楽制作やMIDI機器の演奏に必要不可欠な存在として重要な役割を担ったハードウェア音源、ハードサンプラーは、ソフトウェアの進歩により、筐体に包まれたその存在は近年、中古市場で見かけるようになった。

今でもハード音源モジュールは販売されているが、往年の名機であるハードウェア音源はソフトウェア音源という形態に移行し、使われているようだ。

筆者はKORG TRITON-Rack（ハードウェア音源）ユーザーではあったが、他社のソフトウェア音源に移行してから使わなくなっていた。

しかしながら、ソフトウェア音源を試している内に、物足りなさというか、思っているサウンドカラーと違うケースが出てきたので、耳慣れたTRITONサウンドを使ってみたくなった。

ソフトウェア音源とハードウェア音源を同時に使うには、どうすればよいのか。USB一本で音出しできていた便利な環境からすれば、配線とDAWの設定を考えると少々面倒くささを感じてしまう。

結論としては、「Midi Pipe」というアプリケーションをインストールすることで、MIDIインターフェースを使わずに、USB接続のMIDIキーボードでソフト、ハードウェア音源を同時に鳴らすことができた。

Native Instrumentsは、ユーザーサポートのページで、その方法を掲載している。Midi Pipeをインストールし、キーボードのMIDI OUTとハードウェア音源のMIDI INをMIDIケーブルで接続。その後アプリで設定を行うとKomplete Kontrol S-Series キーボードでMIDI録音が可能となり、その再生も問題なく行える。

基本的なインストールと設定方法は下記リンクをご参照ください。

・外部リンク
>>> Komplete Kontrol SシリーズキーボードでUSBと5ピンポートから同時にMIDIを送信する

・アプリMidi PipeをMacで使用するには?
MacにMidi Pipeをインストール後は、アプリを使用できるようにMacのシステム環境設定 → セキュリティとプライバシー「ダウンロードしたアプリケーションの実行許可」でMidi Pipeを許可する必要がある。
※Midi Pipe設定の詳細は上記外部リンクを参照

・MIDI IN、MIDI OUTの設定
アプリ立上げ後は、下図の通りにMIDI IN、MIDI OUTの設定を行う。（赤枠参照）
※お使いのDAW環境により選択項目など下図と表示が異なる場合も考えられますので、その点ご了承ください。

・Pro Toolsでの設定方法：新規にMIDIトラックを作成

・Pro Tools MIDIトラック設定：Pro Tools MIDIトラックの「Predefined」> 「Midi Pipe input1」> 音源側のチャンネルを選択。下図赤枠はchannel1を選択。

KORG TRITON Rackの場合、モード「MULTI」を選択すると16トラックのマルチ・ティンバー音源として使用できるので、DAW側で16トラック分のMIDIトラックを作成すれば、16種類のサウンドを同時に再生できるようになる。